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「走らないでね」より「歩こうね」のほうが有効です。野村監督の言葉より。

先日お亡くなりになったプロ野球の名監督であられた野村克也さんを偲ぶ多くの記事の中で、京都橘大学 発達教育学部 教授の池田修氏の記事の中で紹介されていた、こんなエピソードが目に入りました。

野村克也さんの言葉で、とても印象に残るものを1つ上げろと言えば、これだ。

野村さんが監督の時、相手のピッチャーの球がとても良いことがあった。特に高めが良い。そこで、選手には 「高めは、打つな」 と指示を出した。

ところが選手は、次から次へと高目に手を出して凡打に終わってしまっていた。 監督は困った。 そして考えて指示を変えた。 「低めを、狙え」 と。 すると選手たちは、次から次へとヒットを打ち始めたのであった。

日本語は否定の言葉が最後にくる。言いたいことは否定であっても、最後に否定が来ると誤解を招きやすい。

選手は「高めは、」と言う言葉を聞いたとき、意識は高めに向かってしまっている。人間の脳は、物事の最初を大事と思うようにもできている。「高めは、打つな」と言っても「高め」を打ってしまうのはこういうわけなのだ。

だから、指示を出す時は肯定表現でしなければならないのだ。 生徒に指示を出す時も同じ。私は、肯定か勧誘で指示を出すように心掛けた。
教師として、この指示はとても勉強になった。 

野村克也さん、ありがとうございました。
合掌。

池田修氏のブログ記事より引用)

池田氏の同上の文章のツイートに「ぺぽ太」さんが、

保育していた時、遠足などの前に注意事項を子供たちに伝える時もそうだったのを思い出しました。
走ったらいけないよ、一人で行かないように、でなく、歩いて行こうね、みんなと一緒に行こうね、と。
耳に入った言葉が印象に残る、ということなんですね、きっと。
ぺぽ太さんのツイートより引用)

と返信されていました。「転ばないようにね」と言ってしまうと、転びやすくなる、という話は比較的有名かと思いますが、つい、「走らないでね」と言ってしまいそうになります。
でも、私もできる限り「歩こうね」とお子さんたちに声を掛けるよう心がけており、その効果を実感しています。

私も高校生の頃、ファミリーレストランでフロアのアルバイトをしていた時に、この肯定表現の大事さをまさに身をもって体験しました。

会社で責任ある立場であろうお客様が、「研修中」のバッジを付けた慣れない動きをしている私を見て、「これから大事な商談だから、失敗のないように頼むよ」と声を掛けてこられたのですが、その一言で私の緊張は一気に高まり「失敗」という言葉で頭がいっぱいになってしまいました。

その後、商談のお相手が見えられ、お二人がお食事をされている真横で、私は派手に食器を落としてしまいました…(>_<)
そこまで分かりやすいミスは、そのアルバイトではしたことがなかったので、なんだか私の失敗を予言されたようで怖くなったと同時に、お客様とお店に対して申し訳なく思いました。

あの時、「しっかり頼むよ」というような、肯定的な言葉をかけてもらえていたらなあと今でも思います。

最近、公衆トイレの貼り紙でも、「いつもきれいに使ってくださりありがとうございます」という書き方が増えてきていますが、こういった言葉の使い方の重要性がだんだんと知れ渡ってきているんだろうなと実感しています。

プロ野球のことはあまり興味がありませんでしたが、とても重要な言葉の使い方を拡めていただいたことを知り、とても感謝しています。
野村監督、ありがとうございました。

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