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「泣き止むまでほうっておくと自立する」って本当??

 赤ちゃんを「泣き止むまでほうっておく育児法」の起源は、1894年に、ドクター・エメット・ホルトが書いた赤ちゃんのトレーニング本にまで遡ります。そしてこのアドバイスは、21世紀の現在に及ぶまで、数々の育児書の中に受け継がれていますが、この方法は様々な問題を引き起こしているそうです。

 小児科医であり、自身も8人の子どもの親であるウィリアム・シザーズ氏は著書『シアーズ博士夫妻のベビースリープブック』の中で、この方法は医学的にも間違っていることを指摘し、母親と赤ちゃんの間のコミュニケーション力を弱める、生物学的に間違っている、質の悪い睡眠へとつながる、という点を挙げています。

 科学的にもそれは証明されており、母親から離され、日常的に数十分以上泣く時間に耐え、要求に応えてもらえない乳幼児は、「注意欠陥多動症(ADHD)」になるリスクが高まるそうです。
 ある研究では、乳幼児のときに、繰り返し長時間泣いた経験のある子どもたちの中には、低い学業成績、非社交的な振る舞いが見られ、子どものときにADHDを発症する確率は20%だという結果が出ています。

 その一方で、乳幼児期に、それほどひどく泣かなかった子どもたちの中の、ADHDの発症率は2%です。また、泣いたといっても、乳幼児期にコリックが原因と診断された子どもたちの中での発症率は高くはないそうです。

 赤ちゃんによって気質は様々で、たいしてぐずりもせずに一人で眠りにつくタイプの子もいれば、手のかかるタイプの子もいます。
 シアーズ氏は、「非常によく泣くタイプの赤ちゃんの場合、赤ちゃんを抱き上げ、泣くのが治まるまで待つくらいしか、なすすべがないときもあるでしょう。お母さんが睡眠をとても必要としている場合や、赤ちゃんが夜求めているものを得られない欲求不満に耐えられる月齢になっている場合は、いつでも、お父さんなどに代わってもらい、抱きながら泣かせてあげましょう」とアドバイスしています。

 この本には、赤ちゃんが夜目覚める原因が医学的な問題ではないかを確かめるチェックリストも掲載されています。
 「あらゆることを試してきたうえで、それでも、赤ちゃんが夜中に何度も起きたり、どこか痛そうだったり、苦しい様子だったりする場合には、医学的・身体的要因を疑う必要がある」と述べています。

 (なお、「こどもの救急」のサイトでは、夜間や休日などの診療時間外に病院を受診するかどうか、判断の目安を調べることができます。
 また、子どもの急な病気に困ったら「小児救急電話相談 」で相談できます。全国同一の短縮番号、#8000をプッシュすれば、お住まいの都道府県の窓口に自動転送されます。実施時間帯は自治体によって異なります。)

 そして、スクールカウンセラーでもあり医師でもある明橋大二氏も、著書『子育てハッピーアドバイス』の中で、「『赤ちゃんに抱きぐせをつけてはいけない』と言う人がありますが、これは間違っています」とはっきりと述べています。
 私も長年赤ちゃんたちと接してきて、本当に明橋氏のおっしゃる通りだと感じています。

抱っこというのは、子どもにとって、すごく気持ちのいいことです。
抱っこされると、子どもは「自分は大切にされている」と感じます。
(中略)
子どもを放置すると、子どもに、強い怒りが生まれます。
(中略)
児童虐待の現場では、放置(ネグレクト)された子どもの怒りは、暴力を受けた子どもに勝るとも劣らないことが知られています。
そうやってずっと蓄積された怒りが、後に、非行や暴力となって表れることもあります。
怒りは、怒りで抑えつけるよりも、抱っこのほうがはるかに早く泣き止みます。
抱っこしないことが続くと、赤ちゃんはあるときから泣かなくなります。そして無表情になります。
手がかからないよい子ではないのです。心のトラブルの始まりです。
これは、甘えたい気持ちを、自分の心の中から締め出してしまった状態です。そして、悲しみや怒りを、深く無意識の中に潜行させることになります。いわゆるサイレント・ベビーです。
これはとても心配な状態で、表面上は、喜怒哀楽が少なく、手がかからないので、よい子に見えますが、心のダメージは相当大きくなっています。
このままで大きくなると、いずれ、さまざまな心のトラブルとして、表面化してきます。
いずれにせよ、スキンシップとか抱っこ、というのが、赤ちゃんの時期には、最も大切です。

明橋大二著『子育てハッピーアドバイス』より

 ところが、心理的な抵抗があってどうしてもできない、という場合もあります。

たいていは、周囲のサポートがじゅうぶん得られなかったり、親御さん自身の、育った環境に困難があったりして、精神的に相当参っていたりするためなので、実家や地域(保健師さん、子育てサポーターなど)や保育園の支援を受けて、態勢を立て直す必要があります。

明橋大二著『子育てハッピーアドバイス』より

 赤ちゃんをぐっすり、幸せに眠らせるために、他に、中村 真奈美著『ママとあかちゃんがぐっすりねむれる本』といった本や、子育てを応援するサイトも役立つかもしれません。

 例えば、NHKすくすく子育てハッピー・ノート.comチアーズママといったサイトがあります。

 また、近日中に、私が試して有効だった寝かしつけの方法をご紹介しようと思います。

 

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