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「抱きしめよう、わが子のぜんぶ」より

児童精神科医の佐々木正美先生が書かれた本です。
今子育て中の方にも、これから子育てをされる方にもぜひ読んで頂きたい、心に響く内容でした。

最近、学校や家で暴力をふるう子どもが増えています。
(中略)
感情のコントロールができず、がまんができない子ども達に共通しているのは「自分はだれかから見放されるんじゃないか」という不安感が心の底にあるということです。
見放されることに対する不安感がとても大きいのです。
この感情を「見捨てられ抑うつ感情」といいます。

「見捨てられ抑うつ感情」を持っている人は、幼いときに親から、
「そんな子はもういりません」
「そんな子、お母さんは産んだ覚えありません」
「そんな子は、もうよその家にあげてしまいますよ」
といったことを繰り返し言われて育ってきた子たちです。

あるいは親にかまってもらえず放置されて育った子たちです。
そういう子どもは、放っておかれた、大事にしてもらえなかったという思いから、孤独感や孤立感を深め、よるべのない不安が高まり、心に深い傷をつくります。
(中略)
思春期の子の反抗や暴力的な行動も、泣き叫ぶ赤ちゃんと一緒で、さみしさや孤独、不安といったもののサインを暴力や非行で発しているのです。
(『抱きしめよう、わが子のぜんぶ』より引用)

他に、特に印象に残ったのは下記の点です。

とても悲しいことですが、子どもの存在自体を否定するようなことを平気でいう親は少なくありません。本人は、子どもの教育のためと思っているかもしれませんが、子どもの良くないところを指摘するだけならまだしも、人格そのものを否定するようなことは絶対にしてはいけないことです。子どもは大きく自尊心を傷付けられ、いつも親の前でびくびくするようになってしまいます。
親を信じられず、自分のことも嫌いになってしまいます。

親の期待が強すぎると子どもは疲れてしまいます。
親がわが子に「こうあってほしい」「こんな人間に育ってほしい」と願うのは当たり前ですし、愛しているからこその願いでしょうが、その期待が強すぎると、子どもはそれを重圧に感じて息苦しくなってしまいます。
小さい時から、「聞き分けのいい子でいなさい」とか「お稽古事や勉強がよくできるようになりなさい」と、自分の希望を伝えすぎてしまい、希望通りにならないと、「どうしてできないの!」と責めたり、「お母さんの言うことが聞けないの!」などと頭ごなしに叱ったりしてしまう…。
子どもはお父さんお母さんが大好きですから、その期待にこたえようと本当はがんばっているのです。がんばっているのに、そんな風に言われたら「自分はダメな子だ」「お父さんお母さんは私のことが嫌いなんだ」と自分を否定したり、親に見捨てられたという感情を強く持ってしまうでしょう。

子どものいうことを聞いてあげる、要求を満たしてあげる、できないことを指摘するより、できていることを見つけて「がんばっているね」といって応援してあげる。

思春期以降の精神的な危機の問題は、その最初のステップである乳幼児期に親のいうことを聞かせすぎた結果であることが多いそうです。

「こうしなさい」ではなく、「がんばっているね」とたくさん応援してあげることが良いのだそうです。

他にも、ここに書ききれない、たくさんの佐々木先生のメッセージが書かれていました。
自分の子ども時代を振り返りながら、とても共感しました。

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